メインフレームのオープン化は、これからの社会でビジネスを進めるための重要な取り組みです。ここでは、メインフレームについての基礎知識から、オープン化のメリットや注意点、オープン化の方法などについて解説します。
メインフレームとは、企業の基幹システムを担うために作られた、大型のコンピュータのことで、ホストコンピュータとも呼ばれます。
信頼性、安定性、セキュリティに優れており、大量のデータを高速で処理することが可能です。1950年代に開発され、金融や医療、製造業などさまざまな分野で使用されてきました。
メインフレームは主に富士通、IBM、NEC、日立の4社が提供しています。それぞれの特徴は以下の通りです。
日本国内で豊富な導入実績があるメインフレームです。大手企業向けの「MSP」と、中堅・中小企業向けの「XSP」という2つのOSを提供しています。
ただし、2030年に生産終了、2035年にサポートの終了が予定されています(※)。このため利用している企業は、モダナイゼーションやマイグレーションを検討しなければなりません。
System/360、System/370、System/390、zSeries、zSystemsなどを提供。高い信頼性で、世界中の金融機関や大手企業で使用されています。
大きな特徴が、AIを活用したセキュリティ対策やコンプライアンス機能、クラウドやAIとの統合です。強固なセキュリティを維持しながら先端の技術をうまく取り入れ、多くのニーズに応えています。
独自のメインフレーム「ACOSシリーズ」を提供しています。2022年6月には新しいメインフレーム「i-PX AKATSUKI/A100シリーズ」を発表(※)。高い処理性能と信頼性で、多くの企業に導入されています。
長年培った技術に近年のITトレンドを加えたことで、引き続き市場競争力を維持しています。
AP8800シリーズなど、国内で高いシェアを獲得しています。国内市場に特化したサポート体制が魅力です。日立はメインフレームのハードウエア製造から完全撤退しましたが、メインフレーム専用OS「VOS3」シリーズの開発は継続して行っています。
メインフレームをオープン化するメリットは、保守運用コストを削減できる点です。また、クラウド、AI、IoTといった先進技術を活用できるようになります。
他のシステムや環境との互換性を持たせることで、業務に合わせた柔軟なシステム運用を行えるようになるでしょう。
長年運用してきたメインフレームには、その企業特有のルールや例外処理などが大量に含まれています。これを適切に把握した上でオープン化しないと、移行後の業務に支障が出たり、大規模な手戻りが発生したりしてしまいます。
また、オープンシステムとメインフレームの運用方法は大きく異なります。このため、運用体制やチームのスキルセットなどについても合わせて検討することが大切です。
メインフレームをオープン化する方法は主に以下の4つです。多くの場合、これらを組み合わせて行います。
| プラットフォーム | 既存のプログラムの修正は行わず、新たな環境にデータを移行する方法 |
|---|---|
| リライト | 変換ツール等を使って、新しい言語や技術に移行させる方法 |
| リビルド | 既存システムの仕様や設計を、新たな環境で一から再構築する手法 |
| リプレース | パッケージ製品の導入やクラウドを利用するなどして、既存のシステム環境を全面的に刷新する方法 |
メインフレームのオープン化に踏み切れない理由として多いのが、「移行後の信頼性は維持できるのか」「コスト削減の効果は本当にあるのか」「業務を止めずに実行できるのか」といった不安です。
こうした懸念を解消するには、リホストやリライトなど複数の移行方式を比較し、過去の事例を踏まえて計画を立てることが重要です。専門知識とノウハウを持つベンダーに相談することで、自社の状況を客観的に評価し、リスクを抑えた現実的な戦略が立てられます。
メインフレームのオープン化は、単なるコスト削減にとどまらず、クラウドや先進技術を取り入れて企業の競争力を高める取り組みです。
一方で、長年積み重ねた業務ルールやシステム構造を適切に理解せずに進めると、大きなリスクを抱えることになります。
だからこそ、自社の状況を正しく把握し、リスクをコントロールしながら計画的に進めることが不可欠です。専門的な知見を持つベンダーの支援を得て、段階的にオープン化を進めていくことが成功への近道といえるでしょう。
マイグレーションは、企業ごとに実現したい移行の内容や、抱える課題が異なります。
本メディアでは、マイグレーションを提供する企業の実績や特徴を徹底調査し、3タイプの移行「レガシーのオープン化」「AWSへの移行と運用」「大規模システムへの移行」にそれぞれ適した企業について解説しています。マイグレーションパートナーを選ぶための参考として、ぜひご活用ください。
ここではマイグレーションサービスのプロジェクト実績が100件以上の信頼できる会社を厳選。その中で「レガシーシステムのオープン化」「AWSへの移行」「大規模システムの移行」という3つの目的別におすすめの会社を紹介します。



【選定基準】
「マイグレーションサービス」とGoogle検索し表示される10社のうち、公式HPでマイグレーションサービスの移行実績が100件以上の3社をピックアップしました。(2025年8月20日時点)
※1.2.参照元:FPTジャパンホールディングス公式HP(https://fptsoftware.jp/resource-center/connect/connect-legacy-modernization)2025年8月20日時点
※3.4.参照元:TIS公式HP(https://www.tis.jp/service_solution/aws/migration/)2025年8月20日時点
※5.参照元:日立製作所公式HP(https://www.hitachi-sis.co.jp/service/system/migration/index.html)